コア技術

PIRセンサーとワイヤレス技術で「 もっとセンサー、もっと省エネ」を実現

PIRセンサーとワイヤレス技術で「 もっとセンサー、もっと省エネ」を実現

IQ-groupは、センサーと照明を製造して40年。センサーライト聡明期から、センサーライト一筋です。
使い方に合わせた照明のセンサー制御を得意としています。

PIR(人感センサー)の仕組みと、IQ-groupの集光技術

Lumiqs製品に内蔵している人感センサーは、人や人の周囲の物体が発する、遠赤外線の量と動きを「光」として捉えて、信号化しています。
一般に、パッシブセンサーと言います。
対して、自動ドアなどにはアクティブセンサーが用いられています。LEDを発して、そのレーザーを人が遮ることで信号化されるのです。
パッシブセンサーは、受光した遠赤外線の量と動きを利用して、内部で電気を発生させ信号化します。しかし、入ってくる遠赤外線の量が少ないと、
内部で発生する電気がわずかとなります。そうすると信号化のとき、発生した電気と周囲のノイズの区別がつかず、人がいないのに点灯するという「誤検知」をする可能性があります。そのため人が発する遠赤外線を、いかに効果的に受光するか、それがセンサーの良し悪しを決めるのです。

Lumiqsのセンサーは、集光レンズが特徴的です

他のメーカーが採用していない、オリジナルの大きなレンズを自社開発。内部の電気を発生させる部品(焦電素子)に、効果的に遠赤外線を集める設計となっています。12メートルの高天井から人体をみると、肩から上の部分しか見えません。
そのわずかな部分は、周囲と比較すると少しだけ多くの遠赤外線を発し、動いていきます。
その遠赤外線の差と動きを効果的に捉えること。それがIQ-groupが40年積み重ねてきた技術です。

人感センサーの感度調整

パッシブセンサーの良し悪しを決めるもう一つの大きな要素は、人体と周囲温度をいかに区別するか、いわゆる感度です。これは内部のソフトウェアが対応します。このソフトウェアも、自社開発です。
あなたは、マレーシアの夏より日本の夏の方が暑いとご存知でしょうか? 夏場はパッシブセンサーの仕組み上、もっとも苦手な季節です。人体と周囲温度の差が少なくなるからです。 IQ-groupの開発陣はマレーシアのペナン島にいますが、夏場でも34度くらいまでしか気温が上がりません。
対して日本は・・・人体のほうが冷たいこともあります。
そのため、マレーシアで開発した製品をそのまま日本に持ち込むことはやめました。
日本のもっとも暑い7月末からお盆にかけて、倉庫現場で何度もテストしました。そして、日本の真夏でも検知できること、かつ誤検知を最小化するソフトウェア開発に成功しました。このソフトウェアには、センサーライト一筋40年のノウハウが詰まっています。使う場所ごとに最適な製品を提供する。それがIQ-gourpの基本姿勢です。

検知テスト風景(日本の真夏)
検知テスト時の気温

ワイヤレス技術(ワイヤレスチャイム)

人感センサーと並んで、IQ-groupが大切にしている事業がワイヤレスチャイムです。ドアの呼び鈴と室内のチャイムが、無線で連動する仕組みで、特定小電力無線局の313.625MHz帯、近距離間の電波を利用しています。これは、自動車のキーレスエントリーにも利用されている電波帯です。
製品に電波を利用するには、日本国内では総務省管轄の「電波法」に準じることが必要です。そのため製品化の際に、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則に則った認証を受けました。認証を受けるには、製品に混信防止機能を持たせることが必須となります。これは、他の無線局の運用を妨害しないためです。
必要な距離の電波を飛ばしつつ、他と混信しない。これを達成するには、一定の技術と経験値が必要となります。IQ-groupは、このワイヤレスチャイムの開発と製造を通して、無線技術の経験を積んできたのです。

ワイヤレスチャイムの経験を生かして、2.4GHz帯を使った、カメラ付きドアホンも開発しています。呼び鈴を押すと、室内のモニタに訪問者の画像が表示される仕組みです。画像データを送受信するため、小電力無線局2.4GHz帯を利用。これはWi-Fiと同じ電波帯です。
この電波帯を利用するには、同じく総務省規定の技術基準が定められており、製品はそれに則った認証を受けています。
チャイムやドアホンの製品化を通して、IQ-groupはワイヤレス技術を蓄積しています。

ソフトウェア開発(メッシュネットワークシステム)

ワイヤレスチャイムの人感センサーが検知すると、電波が生じて室内のチャイムが鳴ります。カメラ付きドアホンの場合は、電波とともに画像がモニタに送られます。これらの電波や画像を受信するには、チャイムやモニタ側にソフトウェアが必要となります。
このソフトウェアも、IQ-group内で開発していて、培ったソフトウェア技術は、メッシュネットワークシステムに生かされています。
メッシュネットワークシステムは、照明と照明が通信しあって、1フロアで1300台もの照明を一括制御できるシステムです。
照明に通信モジュールを内蔵させ、その通信をデータ化するゲートウェイを現場に設置します。データの活用や、照明への指示はタブレットで行います。これらを実現するには、電波の技術だけでなくソフトウェア開発が必須。IQ-groupの若手エンジニアたちがそれを担いました。

エンジニアたちは、日本の現場に何度も足を運び、大型倉庫でのテストを繰り返しました。
メッシュネットワークの電波が、大きな壁や梁を超えて通信できるのか、ゲートウェイとタブレットがきちんと通信できるのか、電波とソフトウェアのエンジニアが、電波を測定しながら強度を調整。現場のWi-Fiとの混信を防ぎつつ、システムの安定的な通信を確保しています。

システムの使い勝手を左右する、タブレットのインターフェイス開発には最も時間をかけました。 目指したのは、マニュアル要らずで直感的な操作ができること。 そして、日本初となる2つの機能をタブレットに表示させることです。
1つ目は、センサーを使った場合と、使わない場合の電力消費量を、グラフ表示すること。
2つ目は、照明のセンサーが取った検知データを、人の動線としてマッピング表示することです。
「もっとセンサーを使ったら、もっと省エネになる」
この2つの機能は、IQ-groupの信じるところを具現化した、メッシュネットワークシステムの目玉です。 照明の点灯データと、センサーの検知データをゲートウェイに集積・計算。タブレットで、センサーを使って省エネできているか、もっと省エネできる場所はないかを、視覚的に捉えて頂けます。

IQ-groupの技術を注ぎ込んだシステム

メッシュネットワークシステムは、人感センサー、ワイヤレス、ソフトウェア、IQ-groupのすべての技術を注ぎ込んだシステムです。
目指したのは、照明の究極の省エネ。そして、直感的に使えて、省エネをやり続けられること。これは、IQ-groupが追求する「ものづくり」そのものです。
現場に寄り添った照明システムとして、ぜひ長く使って頂きたいと考えています。
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